日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ、ロシアの8カ国の首脳による政治経済運営に関する年1回の定期会議。1975年にパリ郊外のランブイエ城で開かれた第1回会議には、6カ国の首脳が参加。第2回からカナダが、第3回からはEC委員長が参加し、97年のデンバーサミット(アメリカ)からロシアも参加している。当初の目的は、石油危機や為替レートの大幅変動など、それまでの枠組みでは処理できない世界共通の経済かく乱に対して、首脳が一堂に会して思い切った政策協調を決定することだったが、ソ連崩壊前後から国際政治や地域紛争問題なども議論の対象になる一方で、事務レベルの準備会議で本会議の大方の方向が決められるようになり、サミットの意味は大きく変化した。デンバーサミット以降は、外相、財務相はサミットに出席せず、別途、事前に論点整理を行うことになり、本会議は一段とセレモニー化していった。また、近年、新興国の世界経済への影響力が高まるにつれ、主要国だけで解決できない問題が増えてきたため、2002年のエビアンサミット(フランス)からは途上国首脳を招待するようになった。しかし、サミットの場でも両者の主張がすれ違うことが多く、サミットが主要8カ国と途上国の「二重構造」をもつようになってきた。