第一次世界大戦後のドイツによる賠償問題の処理を目的として、1930年にスイスのバーゼルに設立された世界で最も歴史の長い国際金融機関。53カ国の中央銀行と香港特別区、欧州中央銀行(→「ユーロ圏」)が議決権をもつ。各国中央銀行による銀行監督の国際協力推進を主な目的としている。また、理事会を構成する主要国中央銀行総裁による月例会議は、金融情勢や政策に関する意見交換と政策協調の場として重要な役割を果たしている。さらに、BISは各国中央銀行が預託する預金の運用や、国際金融危機に際して短期ブリッジローンを提供することもある。金融グローバル化が進む中で、(1)ハイリスク投資に走りがちな銀行の健全性を確保し、(2)国際市場における競争条件をそろえる、という二つの目的でBISが88年に導入した自己資本比率規制(BIS規制またはバーゼル規制。国際業務を行う加盟国銀行に対して貸出残高の8%以上の自己資本保有を義務付ける)は、2007年に、自己資本比率に銀行システム障害、事務上のミス、貸出債権のリスクを反映させた新BIS規制に改訂された。