アメリカの大手証券会社リーマン・ブラザーズの経営破たんが金融市場、そして世界経済に与えた打撃のこと。全米4位の証券会社だったリーマン・ブラザーズは、サブプライムローンの焦げ付き問題などで巨額の損失が発生、2008年9月15日に連邦破産法11条の適用申請をして、事実上の経営破たんとなった。これを受けた同日のニューヨーク株式市場は504ドルの暴落、外国為替市場ではドル相場が急落し、社債市場も機能不全に陥るなど、金融市場全体が大混乱に陥った。影響は世界の金融市場に波及、リーマン・ショックは、日本やヨーロッパ、中国やロシアなど、全世界の金融市場を巻き込む巨大な津波となった。リーマン・ショックの第二波は、シティグループを始めとした、大手金融機関の経営危機に代表される「金融危機」となって現れた。これが深刻な信用収縮を引き起こしたことから、一般企業の経営が悪化、生産活動の激減、消費の減少と失業の急激な増加などの形で実体経済を直撃した。これがリーマン・ショックの第三波であり、アメリカの三大自動車会社「ビッグスリー」の経営危機に象徴される、「100年に1度」とされる未曽有(みぞう)の危機へと発展することとなった。こうした事態に、ブッシュ政権(当時)が総額7000億ドルの緊急経済安定化策を、後を受けたオバマ政権が総額7870億ドルの景気対策を打ち出した。しかし、その効果は容易に現れず、危機は深刻さを増している。大恐慌の引き金を引いたとして、今も語り継がれる1929年の「暗黒の木曜日」の株価大暴落。リーマン・ショックも同様に、世界の歴史に深く刻まれることになるだろう。