ポルトガル(Portugal)、イタリア(Italy)、ギリシャ(Greek)、スペイン(Spain)の頭文字に、アイルランド(Ireland)およびイギリス(Great Britain)のそれを加えた、財政赤字のGDP比率の高いEU(欧州連合)諸国。EUの安定・成長協定(財政基準)は、GDP比3%以内の財政赤字を加盟国に求めてきたが、実際には、2010年4月に事実上破綻したギリシャ(09年13.6%)、国有化した銀行への公的支援がかさんだアイルランド(20%)など、多くの国で深刻な財政赤字を計上してきた。ユーロ圏では、ドイツ、オーストリアなど物価安定と財政規律を順守する北の国と、ギリシャなど放漫な財政運営を行ってきた南の国が、異なった経済構造を有しているにもかかわらず、ユーロという同一の通貨、欧州中央銀行による単一の政策金利を一様に維持するという限界を抱える。