被評価企業の依頼により、当該企業からの情報提供や格付け機関のアナリスト独自の情報などをもとに、格付けを行っている機関のこと。スタンダード&プアーズ(S&P)、ムーディーズ、フィッチの3社が世界的に有名であるが、日本にも格付投資情報センター(R&I)や日本格付研究所(JCR)がある。格付け機関の主な収入源は、被格付け企業からの評価依頼料。格付けを得ようとする企業の思惑は、できる限りの高評価を得ての市場からのスムーズな資金調達にあり、自己に有利な情報は格付け機関に積極的に提供するが、不利な情報提供には消極的になる。格付け機関は、そのような情報の非対称下で、公平かつ厳正中立な評価を行うため、複数のアナリストの意見をもとに格付けを行うが、結果的に主観的な評価になっているとの批判も皆無ではない。たとえば、2007年ころのアメリカの不動産バブル時には、格付け機関はこぞってサブプライム住宅ローン関連証券に最上位の格付けを付与したが、後に投資不適格まで急激な格下げを行うなど、金融市場に過大ともいえる影響を与えた。