ユーロ圏における信用危機に陥った国に対し、財政支援を行い金融の安定化を図ることを目的とする特別目的事業体。2010年5月に欧州連合(EU)27加盟国の合意によって創設。設立当初は最大拠出可能額は2500億ユーロ(約27兆円)であったが、その後4400億ユーロ(約47兆5000億円)まで増額され、10年11月段階では、欧州委員会の調達資金による欧州金融安定メカニズムからの最大600億ユーロの融資、および最大2500億ユーロまで拠出可能な国際通貨基金(IMF)からの融資を組み合わせて、最大7500億ユーロ(約81兆円)の救済が可能となっている。EFSFが発行する債券はユーロ圏諸国(17カ国)の政府保証付きであり、AAA(トリプルA)の格付けが付与されている。一方で、ユーロ圏は11年3月に「ユーロプラス協定 競争力と収れんのための経済政策協調の強化(The Euro Plus Pact ; Stronger Economic Policy Coordination for Competitiveness and Convergence)」と呼ばれる協定に基本合意している。これはユーロ圏各国が財政規律を強化するために、財政赤字の規模だけでなく退職年齢や年金制度などのユーロ圏における協調も含めた財政の持続可能性を目指したもの。