欧州中央銀行(ECB)、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)、イギリスの中央銀行イングランド銀行、日本銀行、スイス国立銀行、カナダ銀行の6中銀が参加して、主に欧州銀行のドル資金調達を支援するために協調する合意のこと、またその合意によって調達されたドル資金のこと。ヨーロッパの信用不安により金融市場で取引相手への不信が台頭し始め、欧州銀行がドル資金を確保することが困難になっている事態への対処。6中銀が協調することにより、欧州銀行は外国の現地法人や支店でドル資金を調達し、本国に送り金融グループ全体の資金繰りを助けることが容易になる。また、6中銀は、いずれの通貨でも融通し合える取り決めを締結した。
リーマン・ショック後、日米欧の中銀は「通貨スワップ協定」を結び、協調してドル資金を供給してきたが、貸出金利が年1%から1.5%程度、市場より割高であり、信用力のある銀行の利用は見込まれなかったが、本合意により、ドル資金を銀行に貸し出す際の金利を0.5%引き下げて市場金利に近づけた。その結果、ヨーロッパの信用不安はひとまず沈静化された。