世界貿易機関(WTO)は、物品貿易だけでなく、情報通信及び知的財産権、金融など、国際貿易ルールの順守や市場自由化の約束のために、加盟国が交渉をする場である。1995年1月に関税貿易一般協定(GATT ; General Agreement on Tariff and Trade)を発展解消させる形で発足した。貿易に関する国際紛争が起こった場合、WTO協定に違反するか否かについての、申立国によるWTOパネル(第一審)設置の提訴に対しては、「全加盟国が反対しない限りパネルの設置を実施できる」とする採択方式(ネガティブ・コンセンサス方式)が取られている。ただし、WTO協定違反の審査では、WTOパネルに先立ち二国間協議を行うよう義務付けられている。2012年12月、中国の日本産高性能ステンレス継目無(シームレス)鋼管へのアンチ・ダンピング措置について、日本は中国に対しWTO協定に基づく二国間協議を要請している。