実質的な国民皆保険を目指すアメリカの医療保険制度改革法。もともと、アメリカには国民皆保険制度がなく、公的な医療保険制度は高齢者向けのメディケア(medicare)や低所得者向けのメディケイド(medicaid)しかない。その他の一般市民は民間の医療保険に加入することになるため、保険料を払えないなどの理由で国民の6分の1は無保険者であることが社会問題となっていた。しかし、「市民の自由」を重視するアメリカで、政府の役割を強化することにはなお反対論が根強い上に、オバマケアの目玉政策の一つである、オンラインで簡単に保険加入ができる保険市場「エクスチェンジ(exchange)」が、ウェブサイトの技術的な不具合により加入者が予想を大幅に下回った状態にあり、国民皆保険の理念が遠のいている。