アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)が2008年秋の金融危機を受け、断続的に実施してきた量的金融緩和を縮小していくこと。最終的に証券購入額がゼロになる「出口」に向けた戦略の第一歩となる。雇用情勢の改善に自信を深めたFRBは13年12月、月額で住宅ローン担保証券(MBS)を400億ドル、米国債を450億ドル買い増してきた量的緩和策を、14年1月から購入額を50億ドルずつ減らし、総額で月額750億ドルに縮小すると発表した。同時に、失業率が6.5%を安定的に下回るまで事実上のゼロ金利政策を続けることも決め、テーパリングの中で長期金利の急上昇を抑えることを狙った。日米の株式・債券市場をはじめ金融市場は、米景気が着実に回復を続けるとのお墨付きをFRBが与え、ゼロ金利政策の長期化を示唆したと受け取り、テーパリングを好感した。一方、これに伴う先進国へのマネーの回帰が起きたことにより、新興国の金融市場では動揺が見られた。