加盟国の間で取引される品目に対して関税を原則的に100パーセント撤廃しようという枠組みのこと。ただし、各国の産業構造は大きく異なり、どの品目を関税撤廃の適用除外にするのかは、各国の思惑が異なっている。そのため、主導的な立場の国の事情が強く反映されやすく、思惑の似かよった地域間で地域間協定が重層的に存在する状況となっている。環太平洋経済連携協定(TPP)はアメリカ主導のもので、アジアではASEANの加盟国であるシンガポール、ブルネイ、ベトナム、マレーシアおよび日本が加わっている。
ただし、韓国はTPPの枠組みでは自国に不利と考え、米韓FTA(2012年合意)が成立している。また、中国は韓国とFTAを妥結(14年)している。自由貿易協定(FTA ; Free Trade Agreement)は2国間もしくは少数の地域間で合意される自由貿易協定である。日本はシンガポールと初めて合意している(02年)。オーストラリアともFTA交渉が進められ、農産物や乳製品の扱いで合意が危ぶまれたものの14年4月に妥結した。