アメリカ合衆国の通商交渉における大統領権限のこと。アメリカ議会への事前通告等の条件の下かつ一定の期間に限り、大統領が外国と締結した通商協定について一括で議会に承認を求めることが可能となる。2015年、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉が最終局面を迎える中で、アメリカ議会では貿易促進権限を大統領に付与するか否かでもめたものの、同年6月に下院で可決され大統領は貿易促進権限を手に入れた。TPPは15年10月に大筋合意し、大統領から議会への通知は同年11月に実施され、16年2月以降、大統領はTPPへの署名が可能となった。