需要が供給を上回り、それが新たな投資を誘発してさらに需要が拡大する経済状況のこと。このような状況が続けばインフレリスクが高まる。アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)のジャネット・イエレン議長の講演(2016年10月)での発言で、この「高圧経済」という言葉が注目されている。イエレン議長は、経済危機による損失の修復を図るには高圧経済政策が唯一の方策となり得る、と指摘。需要圧力の増大と労働市場のひっ迫が一時的に続けば、経済損失を埋めるための政策オプションが見つかると主張している。この発言は、利上げに踏み切ったとはいえ、緩和水準といえる金融政策を継続する理由として用いたとの見方が多い。