法人事業税と法人住民税の二つの地方法人税。いずれも会社の事業所がある都道府県や市町村に納められる税金であるため、大企業の本社が多い東京都や、トヨタ自動車の本社がある愛知県などには多額の地方法人2税が納められることになる。都市と地方の税収格差の象徴的な例として取り上げられ、この地方法人2税の税収格差を是正するため、いったん国に集め、改めて再分配することが望ましいという議論が行われた。しかし、地方法人2税の税収格差は、(1)好況という経済状況を反映したものであり、不況になれば大幅に格差が縮小する性質があること、(2)地方税であった税金が国税に替わるのであるから地方分権の流れに反することから、税収格差是正の議論としては問題のあるものであった。結果として、2008年度地方税制改正において、法人事業税の税率を引き下げて、新たに地方法人特別税(国税)が創設されることとなり、それを地方住民税とともに都道府県が徴収し、国に払い込むことになった。さらに、使途を限定しない一般財源として都道府県に譲与される地方法人特別譲与税も創設された。