地方公共団体の財政運営の健全性を高めることを目的とした法律。2007年6月に成立し、財政再建団体制度としては50年ぶりの見直しとなった。08年度決算から導入された。従来の自治体再建法制では、普通会計のみが対象となり、財政赤字が標準財政規模の20%を超えると赤字再建団体と認定されたが、20%を超えなければ、特別会計に多額の累積赤字があり、外郭団体に多額の含み損があっても健全団体とみなされた。地方公共団体財政健全化法が制定された背景には、北海道夕張市が多額の債務があったにもかかわらず見過ごされ、気がついた時には財政再建団体になってしまったという苦い経験がある。地方公共団体財政健全化法では、早期健全化段階を設けて、地方公共団体財政再建団体に陥る危険性がある自治体に、自主的な財政再建を促す制度が導入された。また、財政状況の判断基準として四つの指標を設けて、年度ごとに地方議会に報告、公表することを地方自治体に義務づけた。四つの指標は、(1)従来から採用されている普通会計の実質赤字比率、(2)普通会計の実質赤字比率だけでなく、普通会計に特別会計や企業会計もあわせた連結決算による連結実質赤字比率、(3)借金残高の財政負担を示す実質公債費比率、(4)公社・第三セクター等の将来的な税金負担による将来負担比率である。