税を税務署に納める者を納税者、税を実質的に負担する者を担税者という。直接税とは納税者が同時に担税者になる税をいい、間接税とは納税者が必ずしも担税者にならない税をいう。例えば、酒税は納税者が酒造業者あるいは酒の輸入業者であるが、税額を流通の次の段階に転嫁するため、担税者は酒の消費者になる。納税者と担税者が異なることから、酒税は間接税である。日本では一時、バブル景気などの理由で直接税の割合が高くなり、直接税と間接税の比率(直間比率)が3対1にまでなったことから、この是正が大きな政治的課題になった。しかし、消費税の導入や税率の引き上げによる間接税の増収、あるいは不況による直接税、とりわけ法人税の大幅な落ち込みにより、1対1に近くなってきた。そのため、直間比率の問題は政治的に取り上げられなくなったが、直接税としての法人税などの落ち込みが激しいことから、間接税である消費税の税率引き上げが政治的課題になった。しかし、2002年からの景気回復で所得税や法人税の増収が実現したことにより、直間比率は再び6対4になってきた。