沖縄県に集中する米軍施設や軍事訓練などを日本国内の各地に分散させるため、2007年5月に成立した法律。17年3月までの時限立法である。背景としては、アメリカの国防戦略見直しの一環として米軍が検討する在日米軍の再編と、沖縄の基地問題の解消のために日本政府が米軍基地の見直しを長年要請してきた経緯がある。日米安保の最高の協議・議決機関である日米安全保障協議委員会は、約3年にわたる協議の結果、06年5月に最終報告に合意。在日米軍再編促進特別措置法は、この合意に基づき、沖縄の米軍普天間飛行場を、沖縄県北部の名護市にあるキャンプ・シュワブに移し、米軍機の訓練を日本の本土各地で行うことを目指している。また、米軍再編により基地負担が増加する市町村に対して、再編交付金を交付する再編交付金制度を創設し、公共事業についても国の補助率を引き上げることが可能になった。さらに、沖縄にいる海兵隊のグアム移転に伴う日本側の費用負担について、国際協力銀行(JBIC)からの融資や出資を可能にする特例を設けた。