政府は2010年12月16日に税制改正大綱(2011年度)を決定した。税収が危機的な状況であることは認識していながらも、消費税の増税という抜本改革は先送りされた。代わりに、企業の国際競争力を高めるとともに、海外から企業を誘致するため法人課税の減税が実施された。同時に、減価償却制度の見直しなどによって法人課税の課税ベースを拡大し、増税も行った。その一方、個人所得課税(たとえば、給与所得控除を見直し、給与収入1500万円を超えた場合の給与所得控除額に245万円の上限を設ける)や資産課税(たとえば、相続税の基礎控除の縮小、最高税率の50%から55%への引き上げ)、消費課税(たとえば、新たに地球温暖化対策のための税の導入)の増税が行われた。そのため、初年度は3061億円の減税となり、平年度は646億円の減税になった。