政府は2011年12月24日、12年度政府予算案を閣議決定した。野田佳彦内閣における初めての予算案であり、東日本大震災後初めての予算案でもある。震災復興費は別枠とされたため一般会計の総額は90兆3339億円にとどまり、6年ぶりに前年度を下回ることになった。しかし、特別会計に計上されている震災復興費の分と基礎年金の国の負担分とを一般会計に上乗せすれば、一般会計の実質総額は96兆6975億円になるため過去最大といえる。特別会計を利用するような操作をしたのは、国債発行額を前年度当初予算発行額以下にするという狙いがあったものと考えられる。歳出の内訳をみてみると、八ツ場ダムの本体着工など公共事業費(復興費込み)が6.6%増と大きく伸びた。中小企業対策費は復興費分を含めると70.5%という大幅な伸びになった。首相特別枠としての日本再生重点化措置については宇宙、海洋などの新たなフロンティアや沖縄振興などの地域活性化に充てられた。社会保障関係費(復興費込み)は基礎年金の国庫負担分2兆5882億円を特別会計に回したことにより26兆4227億円に減少した。