翌年度の当初予算の編成にあたり財務省から各省庁に示される予算に関する基本的な方針や上限のこと。シーリング(ceiling 天井)ともいう。2009年9月に成立した鳩山由紀夫内閣によって、予算の硬直化をもたらすという理由で概算要求基準はいったん廃止された。その結果、各省庁の概算要求の歯止めがなくなり、10年度予算は大幅な増加となった。そこで、10年6月菅直人内閣に代わると概算要求基準を復活させ、11年度予算の当初予算の編成を行った。しかし、予算の拡大は止められず、ふたたび過去最大となった。12年度予算の編成にあたっては、各省庁からの概算要求の締め切りを例年より1カ月遅い11年9月末としたうえで、概算要求基準については8月23日に大枠を示し、9月20日閣議決定された「2012年度予算の概算要求組替え基準について」の段階では特別枠である日本再生重点化措置を示すという2段階方式がとられた。大枠では、人件費を含めた義務的経費などを除く政策的経費について、11年度当初予算と比べて一律10%削減するとされている。予算を重点配分する重点化措置において総額は7000億円前後とされ、その対象分野は、(1)再生可能エネルギー普及などの新成長戦略、(2)雇用創出などの人材育成、(3)地域活性化、(4)安心・安全社会の実現、とされた。結果的には、12年度予算において重点化措置の総額は1兆円に拡大した。