安倍晋三政権は2013年度予算を13年1月29日閣議決定した。一般会計総額は92兆6115億円(前年度比2.5%増)であり、当初予算としては過去最大額になった。12年度補正予算案と合わせた「15カ月予算」として編成され、切れ目のない財政出動により景気回復を図った。補正予算と同様に「復興・防災対策」、「成長による富の創出」、「暮らしの安心・地域活性化」に重点化がなされ、インフラ老朽化対策、事前防災対策、などの緊急対策だけでなく国民の命とくらしを守るための公共事業などが取り上げられた。財政健全化を目指し新規国債の発行を抑えたことにより、税収(43兆960億円)が公債金(42兆8510億円)を上回る状態を回復した。また、基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字は23兆2206億円に縮小し、前年度より改善した。分野別の政策としては、11年度からの5カ年で19兆円としていた復興予算の総枠は25兆円程度に拡充され、復興特別会計も増額された。防衛関係費(米軍再編経費などを除く)は4兆6804億円となり、11年ぶりに増額した。公共事業関係費は5兆2853億円になり、前年度比15.6%増という高い伸び率になった。その一方、歳出削減も行われ、地方公務員の人件費削減などにより地方交付税を削減し、前年度より1994億円減少。生活保護の見直しなども行われた。ただし、高齢化が進んでいるため社会保障関係費は29兆1224億円に増加し、前年度比10.4%の増加になっている。