2015年9月24日、安倍晋三首相は自民党総裁に再選された後の記者会見において「アベノミクスは第2ステージに移る」と宣言し、20年に向けた経済成長のエンジンとして新たな3本の矢を発表した。第一の矢は「希望を生み出す強い経済」、第二の矢は「夢を紡ぐ子育て支援」、第三の矢は「安心につながる社会保障」である。具体的な目標としては、20年のGDP(国内総生産)を600兆円にする、合計特殊出生率を1.8に回復する、介護離職をゼロにするの三つが挙げられた。この新・三本の矢を実施するために「1億総活躍」プランを作成するとした。それを受けて作成されたのが、16年6月2日に骨太の方針(2016年度)と共に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」である。その中で、成長と分配の好循環メカニズムが示された。