公債とは、一般に、国債と地方債の総称である。公債はひとたび発行されると償還期限まで市場にとどまるため、新規公債の発行額が既存公債の償還額を上回れば公債残高は累積する。日本では、1975年度の補正予算から本格的な赤字国債が発行され、国の一般会計歳入予算に占める国債発行額の割合である国債依存度も急激に上昇した。デフレの進行に伴い98年度以降税収が減少傾向になったため、国債が大量発行され、国債残高も急速に増大した。その後、一時的な景気回復もあったが、2008年のリーマン・ショックによる世界的な不況の影響で再び国債発行額が急増した。16年度末(見込み)の国債残高は1191兆3816億円であるが、普通国債残高は837兆8406億円である。普通国債のうち、財政法で発行が許されている建設国債の残高は274兆8583億円にとどまり、それ以外の国債は特別の理由に基づいて発行される国債である。そのうち、財政法では禁止されているためわざわざ特例法を成立させ、それに基づいて発行される赤字国債(特例国債)残高は528兆6772億円に上る。そのほかに、減税特例国債5809億円、復興債7兆6337億円などがある。