自由貿易協定(FTA)の一形態。締約国間の物品の関税や通商規則、サービス貿易の障壁などを撤廃し、さらに、市場制度や経済活動の一体化にも取り組む協定。日本の基本的な考え方は、EPAの意義を日本経済の活性化と国際競争力の強化におき、(1)日本企業の海外でのビジネスコスト削減と市場確保、(2)資源・エネルギーの安定的な確保、(3)経済連携を契機とする国内構造の効率化と改革、を基本的な考え方とする。「ジェトロFTAガイドブック」によれば、日本のEPAの特徴は、(1)関税だけではなく非関税障壁の撤廃、(2)多国間ではなく2国間協力、(3)物や資本の移動のみではなく人の移動の自由化、とされる。日本は、2006年から急速に交渉国・地域が増加し、また、2国間に加え、地域経済統合へと取り組みが深まっている点も特徴である。ただし、国内農業への悪影響を及ぼす農産品市場の開放が、EPA締結への障害となっている。