財務省発表の2008年度の国際収支(速報)は、7年ぶりに経常収支黒字が減少となった。黒字額は12兆2291億円で、前年度比50.2%の大幅減で、この減少幅は1985年以降最大のもの。貿易収支黒字も1兆1704億円と、前年比90%の減少。サービス収支は2兆1729億円の赤字だが、16.3%減少と赤字幅は縮小した。また、貿易統計(通関ベース、確報)では、輸出総額は前年度比16.4%減の71兆1449万円、輸入総額は前年度比4.1%減の71兆8716億円となり、貿易収支は7263億円の赤字、1980年以来28年ぶりとなる貿易赤字となった。欧米への輸出急減と、原油価格高騰が主な要因で、輸出に依存する経済の弱さが表れた形となった。リーマン・ショック発生の当初は、日本への影響は大きくないと思われたが、貿易を通じた実体経済への影響は、欧米と比べて大きかったといえる。なお、「ジェトロ貿易投資白書2009年」によると、2008年の日本の貿易は、輸出が前年8.9%増の7759億ドル、輸入が21.7%増の7561億ドルである。輸出額は、第4四半期に前年同期比11.9%減に落ち込み、貿易収支の黒字が大幅に減少した。08年の輸出を国・地域別にみても、第4四半期にすべての地域で減少している。また、通年でみた燃料価格の高騰により中東などの資源国・地域からの輸入拡大が目に付く。