2011年2月に署名した、日本とインド、2国間の経済連携協定(EPA)。発効から10年間で両国の貿易総額の94%に当たる品目の関税を撤廃する。日本の輸出品の90%、インドの輸出品の97%が無税になる。09年の日本からインドへの主要輸出品では鉄鋼、自動車部品が無税となる。これらは、日本からインドへの輸出品のそれぞれ13%、6.4%を占める。また、日本はインドから要望のあった後発医薬品(ジェネリック医薬品)承認の迅速化に協力する。農業分野では、日本は、インドからの輸出品のうちコメや麦、牛肉などを関税撤廃の対象から除外、カレーや紅茶などは無税とする。日本からの輸出品では盆栽やイチゴなどが無税となる。日本は自由貿易協定(FTA)締結戦略で後れをとっており、日本とインドの合意でもコメが関税撤廃の対象から除外されたように、農業分野の市場開放の遅れがネックとなっている。近年、品質や安全性の面で、アジアの富裕層向けに日本の農産物人気が広がっており、積極的な農産物輸出など、従来の関税による農業保護政策とは異なる政策が望ましいとの声があがっている。