各国が輸出の拡大を目指して自国通貨の為替レートの低下を促すこと。通貨安戦争ともよばれる。2008年のリーマン・ショック以降、世界各国が自国の雇用と成長を優先して通貨安を望み、たとえば、アメリカのオバマ大統領は、ドル安政策により輸出倍増計画を推進し、中国に対して人民元の切り上げを促した。通貨安戦争の深刻化は世界経済に悪影響を及ぼすとして、その回避が盛んに議論され、10年10月に韓国の慶州で開かれたG20財務相・中央銀行総裁会合でも、通貨安戦争を議題に、回避が議論された。各国の通貨安戦争のなかで日本では急激な円高が進行し、1ドル82円台まで進んだ9月15日に、政府は6年半ぶりとなる為替介入を実施した。