民間企業レベルで進んでいるアジア経済の一体化。日本は経済連携協定(EPA)の締結では出遅れが指摘されているが、日本企業はすでにアジアで強固なネットワークを築いている。日本企業がアジアで稼いだ営業利益は、2011年4~6月期は全体の7割超(日本経済新聞11年9月10日付)となり、日本の自動車生産は、10年に海外生産が約6割弱と国内生産をしのぐ。国内小売業のアジア進出も急で、コンビニエンスストア、百貨店は中国をはじめアジア各地への出店計画を発表している。アジア経済の中間層の増大により、今後は小売業、レストラン業などのサービス産業の日本企業のさらなる進出が予想される。また、製造業が重要部分の生産を日本からアジア拠点に移す動きもあり、一方で中国やインドのIT企業による日本市場への参入も加速しつつある。