WTO(世界貿易機関)の発表によれば、2012年の商品貿易量の伸び率は、11年の5.2%から2.0%へ減少した。商品貿易額(ドルベース)は0.2%の増加でほとんど変わらなかった。世界貿易の19%を占めるサービス貿易額は12年に2%伸びた。商品貿易で量は伸びたが、額が変わらなかった主な理由は、コーヒー、鉄鉱石、石炭などの国際商品価格の低下であった。また、貿易が伸びなかった主な原因は、ヨーロッパのマイナス成長で、イタリア、フランス、ポルトガル、ギリシャの成長率は、それぞれ8%、10%、16%、18%のマイナスとなった。輸入では、アフリカが11.3%、中東が7.9%の大きな伸びを記録した点が注目される。国別の商品輸出の順位とシェアは、中国11.2%、アメリカ8.4%、ドイツ7.7%、日本4.4%、オランダ3.6%であった。また、国別のサービス貿易の順位とシェアは、アメリカ9.9%、ドイツ6.9%、中国6.8%、イギリス4.3%、日本4.2%であった。商品貿易は一部に貿易量の低迷に底を打った指標が見られた。しかし、近年の世界貿易の大きな影響を与えている要因は、中国の余剰労働力の払底により、チャイナプラスワンにみられる、世界的な工場シフトが発生していることである。