財務省の貿易統計によれば、貿易収支は2011年度の4兆4220億円の赤字から8兆1698億円の赤字へと、85%増の大幅な赤字となった。中国やヨーロッパの景気が落ち込んで輸出が減った一方、福島第1原発事故による石油などのエネルギー需要増と円安などにより輸入額が増大したためである。とくに、サウジアラビアやカタールからの輸入額は大きく伸びた。輸出額は63兆9409億円で前年度から2.1%減、輸入額は72兆1107億円で3.4%増であった。地域別の輸出動向をみると、北米が10%増えたほかはほとんどが減少しており、中国が9.1%、西ヨーロッパが17.1%の減少となった。主要商品別の輸出動向をみると、一般機械の減少が目立つ。建設用・鉱山用機械、荷役機械、加熱・冷却用機器、繊維機械などは10%以上減少している。ただし、自動車、自動車部品などの輸送用機器は6~7%の増加となった。輸入動向では、石油製品、液化天然ガス、液化石油ガスが10%以上増えた。また、自動車、自動車部品がそれぞれ19.7%、15.5%増えた。国別商品別に輸出をみると、アメリカへの輸出は、一般機械、電気機器、輸送用機器がそれぞれ7.5%、9.4%、17.7%増えた。しかし、中国へは、それぞれ21.9%、7.9%、19.9%減った。国別商品別の輸入では、アメリカからは石油製品と液化石油ガスがそれぞれ63.5%、336%増え、自動車と自動車部品がそれぞれ40.4%、22.2%増えた。中国からは、一般機械、電気機械、輸送用機器がそれぞれ6.1%、11.9%、11.9%の増加となっている。