中国製太陽光パネル製品をめぐって起きたヨーロッパ、アメリカと中国との通商摩擦。ヨーロッパでは、2012年9月、欧州連合(EU)の欧州委員会が不当廉売の疑いがあるとして、中国製太陽光パネル対するアンチダンピング(不当廉売)、反補助金調査を始めた。13年6月に欧州委員会は不当廉売によるアンチダンピング課税の仮決定を下し、これに対して、中国政府は、報復措置として6月に中国国内でのヨーロッパ産ワインの不当廉売に関する調査を開始。しかし、一方で中国から輸出されるパネルの約半分をEUが輸入しているため、中国の業界はEU向けの年間輸出量に上限を設け、最低価格を設定する和解案を提示し、7月に欧州委員会との間で合意に達した。ただし、この合意を受け入れなかった中国企業に対しては、12月にEU閣僚理事会が、アンチダンピング税と相殺関税合わせて64.9%を課す最終措置を決定している。また、アメリカとの摩擦では、11年11月にアメリカ商務省が中国製太陽電池(太陽光パネル)を対象に反ダンピング調査を開始、12年5月には不当廉売を認定した。11月にはアメリカ国際貿易委員会(ITC)が国内産業の損害を認める決定を下し、商務省は最大約250%のアンチダンピング課税と約16%の相殺関税を課すことになった。