財務省発表の2014年度国際収支は、経常収支黒字が4年ぶりに増加、7兆9309億円で前年からは6兆4594億円の大幅な増加となった。貿易収支は6兆5659億円の赤字で、11年度からの赤字は継続しているが、前年度からは4兆4528億円の縮小と赤字幅は大幅縮小となり、経常収支黒字の大きな要因となった。輸出は75兆6184億円で前年度比約8.4%の増加、輸入は82兆1843億円で前年度比1.8%の増加となった。海外の緩やかな景気回復にともなう輸出増と、原油価格、資源価格の下落による輸入額の増加ペース鈍化が今回の数値に反映された。サービス収支は2兆7482億円の赤字で、前年度比6966億円の赤字幅縮小となった。1959年以来となる旅行収支の黒字化や、知的財産権等使用料が過去最大の黒字となったことが原因となっている。この結果、貿易・サービス収支も9兆3142億円の赤字と前年から5兆1493億円の赤字縮小となった。このほか、日本企業の海外展開が進んだ結果、海外子会社からの配当金などが含まれる第一次所得収支が2014年度は19兆1797億円と、前年より1兆7977億円増加し、経常収支黒字を支えた。