アメリカ社会や経済を第一とし、国際的問題等への関与を可能な限り控えるべきとする自国中心主義の考え方。1992年のアメリカ大統領選挙の予備選挙で共和党のパトリック・ブキャナン候補が主張した説。2017年に大統領に就任したドナルド・トランプも唱えた。トランプ大統領は就任演説で、貿易、税金、移民、外交に関するすべての決断は、アメリカの有権者とアメリカの家族の利益となるように行うと述べた。外国製品の輸入から自国産業を保護することによって経済繁栄を目指し、アメリカ国内では、道路、高速道路、橋、空港、鉄道など、社会インフラ建設を推進する。アメリカ製品を購入し、アメリカ人を雇用する。この考え方に従い、シリア難民の入国の受け入れを一時的に停止し、中東やアフリカ7カ国からの入国を一時的に禁止した。就任早々の17年1月には、環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱を決定、北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しを表明した。8月には、地球温暖化の加速化を防ぐパリ協定からの離脱方針を国連気候変動枠組み条約事務局に正式に通知した。いずれも自国の不利益を理由とする。