2016年4月にWTO(世界貿易機関)が発表した15年の世界貿易(商品貿易、名目輸出)は、15兆9850億ドルと、前年比13.5%の減少となった。国別の占有率に関して、中国が13.8%で第1位、アメリカが9.1%で第2位。これに8.1%のドイツが続き、日本は3.8%である。商品貿易の輸入は、16兆3400億ドルで同12.4%の減少となった。国別占有率に関しては、アメリカが13.8%で第1位、中国が10.1%で第2位、ドイツが6.3%で第3位である。日本は3.9%。商品貿易輸出の伸び率が高くなった国はベトナムとバングラデシュが、また商品貿易輸入の伸び率が高くなった国はフィリピンが目立つ程度である。商品別では、農産物輸出で10.4%のアメリカが輸出額で10%減少した。燃料鉱産物で占有率が高いのは、ロシア、サウジアラビア、アメリカの順である。これらの輸出額は、28~47%の間で減少した。輸入の占有率が高いのは、中国、アメリカ、日本の順である。これらの輸入額も32~47%の間で減少した。原油、天然ガスの価格下落の影響が顕著である。貿易量は対前年比2.8%の増加を記録しているが、貿易額が減少したのは、この資源価格の大幅下落が大きな要因となっている。また、貿易量では、中国の減速を反映して、新興国・途上国の伸びが鈍かったのも特徴的であった。