保険会社が、保険契約者に対する保険金・給付金を不当に支払わなかったり、減額したりすること。保険会社は、死亡や事故といった保険金支払事由の発生により、原則として契約者に対してあらかじめ契約した保険金額を支払う義務を負うが、契約者が告知義務(契約する際に、健康状態や病歴などの重要事項に関して保険会社に真実を知らせる義務)に違反した場合などには、保険会社は契約を解除したり保険金の支払いを拒否できる。生命保険業界では、明治安田生命保険が、告知義務違反の乱用など不適切な保険金不払い件数が突出していることを理由に、2005年2月、11月の2回にわたり金融庁から業務停止命令を受けたほか、06年7月には最大手の日本生命も保険契約の不正解除などを理由に業務改善命令を受けた。損害保険業界では、自動車保険の特約部分を中心に保険金の支払い漏れが多発しており、06年5月には損害保険ジャパン、6月には三井住友海上火災保険、07年3月には東京海上日動火災などが相次いで業務停止命令を受けた。