1971年7月に設立された、ペイオフ(破たん1金融機関の預金者1人当たり元本1000万円およびその利息を限度とし払い戻しを行うこと)などを業務とする特殊法人。資本金の過半を政府・日本銀行が出資しており、銀行(在日外国銀行を除く)から信用金庫、信用組合、労働金庫まで、大半の民間金融機関を対象とした強制加入の預金保険制度を運営している。ペイオフの制度があるにもかかわらず、2002年3月末までは預金を全額保護する特例措置がとられてきたが、同年4月から定期性預金、次いで05年4月からは普通預金についてペイオフが解禁されたのにともない、決済用預金(無利息、要求払い、決済サービスを提供、という三つの条件を満たす預金)を除けば、保証限度を超える預金は部分的に切り捨てられる可能性が生じることになった。ただし、これまでのところ実際にペイオフが発動された事例は無い。このほか、預金保険機構の通常の業務としては、破たん金融機関の合併、譲り受け、株式取得などを行う救済金融機関に対する資金援助がある。また、01年4月に施行された改正預金保険法に基づき、金融機関への資本注入、金融整理管財人(破たん金融機関の業務および財産の管理に当たる者)への就任、ブリッジバンク(破たん金融機関の受け皿金融機関が見つかるまでのつなぎ役を果たす銀行)の設立などの業務も行う。不良債権の買い取り・回収を行う整理回収機構は、預金保険機構の全額出資子会社である。