預金、債券、株式、投資信託などさまざまな金融商品をどのように組み合わせて資産運用をするかということ。日本銀行の「資金循環統計」によれば、家計部門が保有している2007年3月末の金融資産残高は1536兆円という膨大な額であるが、その構成比をみると、現金・預金が50.1%、保険・年金準備金が26.2%、株式・出資金が12.2%、株式以外の証券(公社債、投資信託など)が7.3%となっている。元本の保証された預金など安全資産の構成比が著しく高い一方、平均すれば高い利回りが得られる半面で元本割れすることもある株式や投資信託など危険資産(いわゆるリスク商品)の構成比は低いというのが、日本の家計部門によるポートフォリオ選択の特徴である。すなわち、安全性(ポートフォリオから得られる利回りがどの程度確実であるのか)や流動性(現金などの決済手段がどの程度準備されているのか)が重視される半面、収益性(平均利回りがどの程度高いのか)は極めて低い状態に甘んじている。高齢化社会の進行などを背景として、1990年代以降、家計貯蓄率(家計部門の貯蓄を可処分所得で割った比率)が低下傾向をたどってきているなかで、家計のポートフォリオ選択も見直しを迫られているといえよう。