日本の財務省が、個人のみを対象として販売している、中途換金時にも元本が保証された国債。証券会社、銀行、郵便局などの窓口で販売されている。変動金利型(10年物、2003年3月開始)と固定金利型(5年物、06年1月開始)の2種類があり、購入単位はいずれも1万円以上となっている。個人向け国債の金利は、同じ年限の利付国債利回りを基準に決められており、変動金利型の場合は基準金利マイナス0.8%、固定金利型の場合は基準金利マイナス0.05%である。個人向け国債の利点は、変動金利型の場合は発行から1年経過、固定金利型の場合は発行から2年経過すれば元本での中途解約が認められているところにある(ただし、変動金利型では直前2回分、固定金利型では同4回分の利子相当額が差し引かれる点には注意する必要がある)。従来の固定金利長期国債は、金利が反転上昇した場合にキャピタルロス(売却による損失)をこうむるリスクが大きくて、個人には購入しにくい商品であったが、個人向け国債は金利の上昇リスクに備えられる金融商品として人気を集めるようになった。なお、家計の国債保有残高は、06年9月末時点で初めて30兆円を超えた。11年12月から個人向け復興国債に名称変更された。