老後の年金を準備する保険であり、運用実績により利回りが変動するもの。年金保険のうち利回りがあらかじめ決められている定額年金保険と対比される。変額年金保険は、1999年に外資系生命保険会社によって発売され、2002年に銀行の窓口販売が開始されたのを契機に販売額が急増した。典型的な変額年金保険は、契約時に一括して払い込んだ保険料(元本)を契約者が選んだファンド(投資信託など)で一定期間(たとえば、10~20年)運用して、その成果次第で契約者が受け取る年金額が変動する仕組みとなっている(ただし、最悪の場合でも、年金原資としては元本や元本プラスαを保証する「元本保証型」の契約が多い)。また、年金受け取り開始前に死亡した場合の給付金は、最低保証額として元本相当額が支払われるのが通常である。「元本保証型」の変額年金保険は、一見したところ安全性と収益性を兼ね備えた金融商品のようであるが、一定の運用期間が終了する前に途中解約すれば元本割れするリスクはあるし、将来受け取る年金額が最低保証額を大きく上回るとは、あまり期待できない点には注意が必要である。