保有している住宅などを担保に資金を借りて、死亡時に担保の住宅などを処分して債務(元本および利息)を返済する仕組み。通常のモーゲージ(住宅ローン)が住宅などを購入するために借り入れた資金を徐々に返済していくのに対して、リバース・モーゲージは生活費などのために徐々に借り入れ金を増やしていって最後にまとめて返済することになる。欧米諸国では、高齢者の生活資金を確保するための金融商品としてのリバース・モーゲージがそれなりに一般化している。日本では1981年に武蔵野市が導入したのを皮切りに、他の地方自治体や金融機関にも広まったが、その後の地価下落によっていったんは頓挫した。しかし、06年ごろから地価が下げ止まり、都心部中心に上昇に転じたのを背景に、信託銀行や住宅メーカーなどが再びリバース・モーゲージの取り扱いを始めるようになった。利用者の長生きリスクや地価下落による担保割れリスクなどをどのようにカバーするのかという問題点はあるものの、今後の日本で高齢化社会が進展することは確実なだけに、将来性の高い金融商品として注目される。