金融機関が発行している磁気キャッシュカードなどを偽造したもの。偽造キャッシュカードによる不正な預金引き出し事件は、2003年度ごろから多発しており、全国銀行協会のアンケート調査結果によれば、05年度には595件発生して被害金額は7.38億円にのぼった(その後、06年度には369件、被害金額3.66億円と減少した)。偽造キャッシュカード対策として、多くの金融機関がATM(現金自動預入払出機)利用による現金引き出し限度額の引き下げ(多くの銀行で300万円から50万円に引き下げ)を実施したほか、大手銀行などではICキャッシュカード(ICチップを搭載したカードで、手のひらや静脈などにより本人を識別する生体認証型もある)の導入を進めている。この間、05年8月には、偽造・盗難キャッシュカードによる被害で、預金者に過失がなければ金融機関が基本的に全額補償することを定めた預金者保護法が国会で成立し、06年2月から施行された。もっとも、預金者に「重大な過失」がある場合には偽造・盗難カードともに補償されない(「軽い過失」がある場合には、偽造カード被害は全額補償される一方、盗難カード被害は75%の補償にとどまる)、盗難通帳は保護の対象とされていない、などの点には注意が必要である。