銀行、証券、保険などさまざまな業態の金融機関を経営統合することによって構成される複合体のこと(コングロマリットの原義は、礫岩)。元来、ユニバーサル・バンキング(銀行・証券一体型の総合銀行)主義をとってきたドイツやスイスなどヨーロッパ大陸諸国では、1990年代後半以降に保険会社との合併によるバンカシュアランス(bancassurance 銀行の保険販売)が進展した。また、業態別分野規制がとられてきたアメリカでも、段階的な規制緩和を経て、99年のグラム・リーチ・ブライリー法(Gramm-Leach-Bliley Act)により金融コングロマリット化への道が事実上開かれた(典型例としてシティ・グループが挙げられる)。もっとも、イギリスの大手銀行は銀行業への特化方針を採っているほか、シティ・グループもその後生保・年金部門の売却に踏み切るなど、金融コングロマリット化が世界の主流となるのか、なお見極めがたい。