地域社会の活性化をねらいとして、ある特定の地域のなかだけで使えるようにした通貨。代表的なものとして、福祉、環境、文化、教育などに関連したコミュニティー活動を促進するねらいで、非営利法人(NPO)や地域商店街などによって運営されているエコマネーがある。エコマネーは、参加メンバーがサービス(たとえば老人介護)を提供してエコマネーを受け取る一方で、他のメンバーからサービス(たとえばパソコン教習)を享受することに対してエコマネーを支払うという、相互主義の精神に基づくシステムである。日本における地域通貨の例としては、滋賀県草津市のおうみ(1999年開始)、千葉市のピーナッツ(99年開始)、北海道栗山町のクリン(2001年開始)などを挙げることができる。また、市民やNPOの手による市民銀行(預金の代わりに市民などから小口の出資を集めて、原則として無担保で低利の貸し付けを行う金融機関)も各地で芽生えており、福祉・環境事業の推進、多重債務者の救済、起業支援などをねらいとした融資を行っている。