個人(家計)や中小企業などを顧客として、小口かつ多数の預金・貸し出しなどを取り扱う銀行業務。日本の主要銀行は、戦後の高度経済成長期を通じて、大企業向けのホールセール・バンキング(大口銀行業務)を中心業務としてきたが、1970年代後半ごろから大企業の銀行離れが進んだことを背景に、住宅ローンや消費者ローンなどの個人(家計)向け金融への取り組みを次第に積極化させた。また、90年代後半以降、バブル崩壊後の不良債権問題の処理に追われる一方で、主要銀行のほとんどが、銀行経営の柱の一つとしてリテールバンキングを掲げるようになった。具体的には、個人向け預金サービス(口座振り替え、給与振り込みなど)、カードローン、住宅ローン、投資信託の窓口販売などである。また、顧客と電話で応対するテレホン・バンキングや、インターネットを利用するインターネット・バンキングなどにも取り組んでいる。