国庫の一時的な資金不足を賄うために発行される政府短期証券(financing bill FB)と長期国債の大量償還・借り換えを円滑化するために発行される短期国債(treasury bill TB)の市場。FBは、従来において「定率公募方式」によって発行されてきたが、その発行レートが公定歩合を下回る低水準に設定されていたため、民間投資家からの応募は極めて少なく、実際にはほとんどが日本銀行による引き受けとなってきた。一方、TBは、1985年度の発行当初から、市場実勢での公募入札方式による市中消化が原則とされた。99年度からは、FBについても市場実勢での公募入札方式が順次導入され、それにともないFBとTBとを合わせて「短期国債」とよぶようになった。日本銀行は、「短期国債」を金融調節のための中核的な市場として位置付けている。