2001年までに日本の金融大改革を行おうとする構想のこと。金融ビッグバンともよばれる。1986年にイギリスのサッチャー政権は、ロンドンの金融街シティーにおける旧態依然とした証券市場を、大胆な規制緩和によって抜本的に改革しようとし、その大改革のことを、宇宙誕生のときに起こったといわれる大爆発にたとえて「ビッグバン」とよんだ。96年に日本の橋本龍太郎政権は、「我が国金融システム改革-2001年東京市場の再生に向けて」と題するレポートを発表し、いわゆる「日本版ビッグバン」構想を打ち出した。「日本版ビッグバン」構想は、フリー(自由化、すなわち、さまざまな競争制限的規制の撤廃)、フェア(公正、すなわち、明確な市場取引ルールの作成)、グローバル(地球化、すなわち、世界標準への適合)の三つのキャッチフレーズによって特徴付けられる。「日本版ビッグバン」により、銀行、証券、信託、保険、ノンバンクなどの伝統的な業態区分は限りなくあいまい化していくことになり、やがては金融に関連するものすべてが金融サービス業(多様な金融商品を提供するサービス業)として一括されるような世界にたどりつくと展望されている。