債券の条件付き売買取引が行われる市場であり、企業法人であれば参加できる、日本で最初のオープン市場(非金融機関も参加できる市場)。第二次世界大戦後まもなく、証券会社が保有する債券在庫のファイナンス手段として利用したのが始まりとされる。1960年代後半には、主として証券会社の資金調達手段として、また企業、農林系統金融機関などの資金運用手段として発達を遂げた。債券現先取引は、資金調達のための売り現先(買い戻し条件付きの債券売却)と資金運用のための買い現先(売り戻し条件付きの債券購入)とに分かれる。債券現先と類似した取引の市場として、96年4月に発足した債券レポ市場がある。債券レポ取引は、現金を担保として債券(国債)を一時的に貸し付ける(借り入れる)取引であるが、債券を貸す側(借りる側)からみれば、実際上、短期の資金調達(資金運用)を行っていることになる。債券レポ取引は、発足後急速に規模を拡大させており、最近では日本銀行による金融調節の手段として重要性を増している。