危機に陥るとシステミック・リスク(金融システム全体を混乱させるリスク)につながる危険性が大きい金融機関のこと。2008年11月にアメリカのワシントンD.C.で開催されたG20緊急首脳会合(金融サミット)の合意に基づき従来の金融安定化フォーラム(FSF)が改組されてできた金融安定理事会(FSB)を中心として、SIFIsに関する具体案の検討が進められている。SIFIsの対象とされる金融機関は、銀行だけでなく、証券会社、保険会社、ヘッジファンドなども含まれる。具体的なSIFIsの認定については、規模の大きさ、金融システム内での相互依存性、他の金融機関による代替性などの基準を定めた上で、11年半ばには特定する予定となっている。SIFIsと認定された金融機関に対しては、危機を予防するために自己資本比率の上乗せ規制などが導入される見込みである。また、危機発生時の枠組みとして、コンティンジェント・キャピタル(不慮の事態が発生したときに資本に転換される証券)や、ベイルイン債務(実質的に破綻した時に、一般債権者に損失を負担させる仕組み)の活用が検討されているほか、秩序ある破綻処理の仕組みを銀行以外の業態にも適用することなどが構想されている。