日本郵政グループの組織や業務を見直すための法案。鳩山由紀夫内閣(民主党・社会民主党・国民新党の連立政権)は、2010年4月に、(1)ゆうちょ銀行とかんぽ生命にユニバーサルサービス(全国一律の金融サービス提供)を義務付ける、(2)持ち株会社「日本郵政」に郵便局会社と郵便事業会社を統合し、その傘下にゆうちょ銀行とかんぽ生命をぶら下げる3社体制とする、(3)「日本郵政」および子会社の政府保有株は、その一部を売却するものの、「日本郵政」については3分の1超過、ゆうちょ銀行およびかんぽ生命については過半を国が保有し続ける、(4)郵便貯金の限度額引き上げ(現行の1人当たり1000万円から2000万円へ)、および簡易保険の限度額引き上げ(現行の1人当たり1300万円から2500万円へ)などを内容とする「郵政改革法案」を通常国会に提出したが、同年6月の閉会時点でいったんは廃案となった。その後、鳩山内閣退陣の後を継いだ菅直人内閣は、同年7月の参議院議員選挙における民主党の敗北(連立与党の過半数割れ)後に開かれた臨時国会に郵政改革法案を再提出したものの、同年12月には審議未了で継続審議との扱いとなった。郵政改革法案の行方は、混沌とした状況にある。