2010年10月に大阪証券取引所傘下のジャスダックとヘラクレスが統合して発足した新興株式市場。新興株式市場としては、1999年11月に東京証券取引所が開設したマザーズ、2000年5月に大阪証券取引所がアメリカのナスダックと提携して開設したナスダック・ジャパン、日本証券業協会が運営する店頭市場(01年2月にジャスダックと改称)の三つが代表的で新興3市場と呼ばれてきた。新興3市場が出そろった00年には、市場間競争によって上場企業数が大幅に増加したが、ITバブルの崩壊によって01年からは上場後に業績悪化が問題となる企業が目だったほか、新規上場社数も減少に転じた。02年8月には大阪証券取引所がナスダックとの提携を解消し、同年12月にはナスダック・ジャパンをヘラクレスに名称変更した。08年12月には、大阪証券取引所がTOB(株式公開買い付け)によってジャスダックを傘下に収めていた。新ジャスダックは、上場企業が1000社を超えるアジア最大の新興市場であるが、06年のライブドア事件(証券取引法違反で4月にマザーズ上場廃止)などによっていったん失われた新興市場への信頼感を取り戻すのは容易ではない。